2020.06.07ピアノ・ピアノテクニック・レッスン
「ピアノはもっとラク〜に弾きたい・・・脱力って何?」
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近頃ピアノにたずさわる多くの人々の中で
よく聞かれるようになった「脱力」。
ロシアピアニズムだとか脱力奏法だとか
ことばとしてはいろんなアプローチがあるようです。
奏法といいますが、難しいことをいろいろ言っても
生徒さんには伝わらないので
私が考えてきた私だけのわたしメソードとしては
「美しい音で弾くこと」
これ一点です。
『なぜ、上達しないんだろう・・・。』
昨年からお世話している生徒さん(大人)の素朴すぎる疑問です。
難易度が高い曲に次々とチャレンジし
人前で弾くこともまったく臆することなく
某有名音大の先生の、決して安くないレッスン代を支払い
愛するピアノのために、時間もお金も体力も
人並み以上につぎ込んできた彼女。
エライ先生のレッスンを受けながら、ふつふつと湧いてきた疑問。
「こんなに長い年月通っているのに、なぜ上達しないんだろう?」
この生徒さんは、音楽的な表現をしたい気持ちがものすごく強いのに
表現する方法を知らなくて、イライラ。
原因はいろいろあって、複雑に絡みあっていて簡単ではないのだけれど
その中のひとつ
【身体の使い方、呼吸のとり方】
がわからないので、なかなか思い通りに弾けないのです。
一度付いてしまったよくないクセは簡単にとれないのだけれど
私のレッスンでは、お医者さんの診察のように
毎回毎回、悪いところ・よくない習慣を見つけて
具合がよくなるようにと多方面からアドヴァイスしていきます。
「うわあ!絶対に弾けないと思っていたのに!」
「あれ?キレイな音になった気がする。」
生徒さんの熱量が高い時ほど
強い化学反応が起きて、間違いなくいい結果が出ます。
『体の使い方?』
さて、「身体の使い方」
と簡単に言うけれど、一体どういうこと?と思いませんか?
「脱力」してピアノを弾くことについて、聞いたことがありますか?
〇〇奏法とか、なんとかメソードとか
情報が氾濫しています。
路頭に迷っていませんか?
「力を抜くって、どういうことかピンとこない」
という人、少なくないです。
一体どこの力を抜くのか?
じゃあ、ふにゃふにゃして弾けば上達するのか・・・???
盲目的に「脱力」することばかりに目がいくと
「あなたのピアノが上達する」
ことに対して黄信号が点滅します。
『脱力する=打鍵したあとに腕の力を解放する』
つまり、しっかりと打鍵したのち(発音する)に行われることなので
一方(脱力)だけ熱心に取り組んでも、壁にぶち当たってしまう・・・
一生懸命なあなたが、うまくいかないと悩んでいることは
練習が足りないせいではないんですよ。
練習不足のために弾けないからと思い込み
さらに一生懸命熱心に、心血注いで
ピアノを弾くと、力んでしまいませんか?
演奏する技術とは、力を抜きっぱなし、入れっぱなしのどちらでもなく
その加減をコントロールすることです。
力を入れっぱなしにすると、指は動かしづらくなります。
素早い移動が難しくなります。
体をラク〜にし、自分の体の力まない使い方を身につけると
これまでは転がってしまって、弾けなかった細かい音や
なんだか、あまりキレイじゃないなあと感じていた自分の音が
キラキラに変わっていきます。
『体をラク〜にし、自分の体の力まない使い方を身につける』
一体どういうことをいうのでしょう。
ピアノを弾くときに、肘から先の前腕に力が入っていませんか?
力が入っている状態は、弾いている人が自分自身で感じられることではないかと思います。
前腕が疲れたり、痛くなったりして弾きづらくなりますよね?
この前腕の筋肉を使いすぎてしまうために、脱力もうまくいきません。
鍵盤に(脱力した)腕の重みを伝えるには
⑴前腕の筋肉に助けてもらわなくても支えられる強い指
⑵バネのような役目をしてくれる柔らかい手首
が必要になります。
脱力の心配ばかりすると、かえって力が入ってうまくいかないことがあります。
何事もバランスが大事なんですね。
さて、この脱力については、私も本当に苦労しました。
高校生ごろまで、脱力の「だ」の字も知らず
かなりの力技で切り抜けていました(と思います)。
当然腕を痛めながら練習して、マッサージしてもらったり
鍼やお灸など、今思えば贅沢なこと!(ごめんね、お母さん)
痛くなるのは、下手だからだ・・・とは思わず
痛くなるほど練習しているんだ、なんて
恥ずかしながら、自分に酔っていた節さえあります。
(しかも、そんなに練習していたとは思えない)
「まったく、いつになったらわかるのっ!!!」
と毎回のレッスンで、師匠の怒り発火点スイッチ・オンをしていたわけですが
できた時は突然やってきました。
徐々にわかった・・・のではなくて、「ストン」と腑に落ちた感じでした。
ああ
こうしてよく鳴る大きな音を出すのか。
よく響く
クリアなPを出すのか、と。
できるようになると、速いパッセージもかなり精度が上がるし
響きのいい、キレイな音を出せるようになります。
私の生徒さんたちも、皆さん一生懸命取り組まれています。
脱力への道、そう遠くはありませんよ!
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